第10回。 | いつか、光り射す場所へ。~コラム723~

第10回。

二人は失った人を求めていた

思い出に焦がれ

もう戻らない日々を

必死に探していた


現実はそこにあるのに

心は遠く

海の彼方

忘れたくても

忘れられない思い出

その数々が

言葉になって蘇ったとき

彼は瓶にそれを詰めて

海へと送った

彼女はそれを

離れた場所から受け取った


そうして二人は出会った


純粋に人を愛したとき

その半面で人は傷つく

乗り越えられない痛みを

共にしたそのとき

運命の嵐は

二人の愛を証明し

また悲劇にも誘う


瓶の中に詰められた

いくつもの愛のメッセージは

思い出の中へ二人を連れ

新たな愛へと導いた


タイトル: メッセージ・イン・ア・ボトル